大小2つの「鶏卵」。上はハッキリしてますが、下は細部がボケてます。文字が小さいからですね。
なんで小さいとボケるんでしょう?
ハッキリ描画できる「細かさ」が無かったからです。同じ画面サイズでも、ピクセル(写真に見える正方形のマス目)がもっと細かければ、小さい文字でもハッキリ見えたことでしょう。
1ピクセルの超アップ。RGB(赤緑青)3色から成り、これで1マス。
ppiとは?
数が大きいほど画像が高精細に見えます。
同じ解像度1920x1080の画面でも、8インチと100インチを比べたら、細かさが全然違いますよね。この場合100インチの方がppiが低く、近くで見ると荒く見える筈です。
ppiはPixel Per Inchの略で、1インチ当たりの解像度です。方眼紙のマスを塗って絵を描くイメージで、
ppi=1インチあたりのマス目の数
と言えます。
1ppiだと1インチに1マスだけ、300ppiなら300マス。数が増えるほど1マスが小さくなり、より細かくなっていきます。
細かさの指標であり、画質の全てを決める訳ではないです。駆動方式やカバー色域等、様々な要素の1つです。
ppiと画面の見え方
等距離で撮影した3種類の画面を比較。ppiの違いによる画面の粗さが判ると思います。
2Kディスプレイ(24.1インチ)
94ppi。PC用ディスプレイはppi低いですが、スマホやタブレットと異なり距離を取る為、数値の割には問題無いです。
1インチあたりのピクセル(マス目)数が94個。ピクセル1個が大きい為、マス目には見えにくいですね。でもこの画像を遠くから見ると、赤緑青が白いピクセルに見えます。是非お試しを。
写真はNEC LCD2490WUXi
低解像度タブレット(9.4インチ)
161ppi。低解像度だけどPC用ディスプレイよりずっと小型。
PC用ディスプレイ(94ピクセル)より高精細。ちゃんとマス目に見えます。
写真はSONY タブレットSシリーズ
高解像度タブレット(7.9インチ)
324ppi。7.9インチのコンパクトボディに、高い解像度。
PC用ディスプレイの約3.5倍、低解像度タブレットの2倍のppi。かなり高精細。
写真はASUS Zen Pad 3 8.0(残念ながら僕のじゃありません)
ppiで画面サイズと解像度のバランスを確認
今の例だと9.4インチの低解像度タブレットより、7.9インチの高解像度タブレットの方が圧倒的に綺麗です。ppiが画質を判断する材料の1つになる訳です。
タブレットのppiの比較
目安にいくつか載せます。最近はAndroid端末もppi高め。
iPad mini4、ZenPad 3 8.0
新型iPadProより上の324ppi。
MediaPad M3
8.4インチ16:10で359ppiと、非常に高め。画質そのものは・・・どうでしょう。
iPad(Pro)9.7インチ、ZenPad 3S 10
mini4以外のiPadで共通、264ppi。
ZenPad10 Z300
Androidの低価格モデルで149ppi。
iPadPro10.5インチ
サイズに比例して解像度も高くなった為、9.7インチと同じく264ppi。
iPadPro12.9インチ
これも画面サイズに比例した解像度で264ppi。
12.9インチの横解像度と9.7インチの縦解像度が同じなんですね。改めて大きさを実感。
ppiが判らない時は?
仕様に載ってないことも多いですが、解像度と画面サイズから計算できます。やってくれる便利サイトもあるようです。
ppiの計算方法
画面サイズは対角線の長さなので、ピタゴラスの定理(三平方の定理)で対角線の仮想的な解像度を、縦横の解像度から求めます。あとはインチで割り算。実際の有効領域が少し狭かったり等、多少は誤差有りということで。
(縦解像度)^2+(横解像度)^2=(対角線解像度)^2
対角線にピクセルが沿ってないので、仮想的な対角線解像度。
iPadやZenPadのように4:3の画面なら、「345の三角形」に則り、対角線が5になります。
(Ex.1)iPad9.7インチ
横:縦:対角線の比は、3:4:5。
縦2048pixelなので、対角線は
2048*(5/4)=2560
9.7インチに2560pixel相当、
2560/9.7=264ppi
※仕様で載ってるppiと同じ
(Ex.2)フルHD23.8インチディスプレイ
アスペクト比(横:縦)が16:9なので、
16^2+9^2=(対角線)^2
(256+81)の平方根=18.4
縦1920pixelなので、対角線は
1920*(18.4/16)=2208
23.8インチで割って
2208/23.8=93ppi
以上、頭の片隅にでもppiを入れてあげてください。