今のご時世、家にスマホやケータイ忘れていった時以外に、あまりお世話になることのない公衆電話です。昭和の刑事ドラマといえば公衆電話に10円玉、そして通話が切れた後の受話器に向かって「もしもし、もしもーーし!!」と叫び続けるのがナウでヤングな演出でした。モバイル全盛期になって刑事ドラマ減っていった気がします。
それはさておき、小銭やテレカで電話をかける以上、公衆電話の前では必ず「財布を出す」必要がありました。カードや小銭を投入した後、追加の小銭や予備のカードの為に、電話の前に財布を置いている人も結構いたと思います。そして通話が終わる頃には、電話の前に財布を置いたことを忘れて立ち去ってしまう人も、中にはいたようです。そんな忘れられた財布達のお話です。
財布の迷子センター
公衆電話全盛期です。中身は変わってませんがまだ学生やってたご時世です。どういうわけか、やたら公衆電話の前で置き去りの財布に遭遇しました。多分4回。多いですね・・・。まあブログに書くくらいなんで、1度もパクったことはありませんけどね。正義感溢れる若者だったから!などと書いて誰か信じてくれますでしょうか・・・すいません。もちろんそんな理由じゃないです。
なぜか毎回、10数万円という家が建ちそうな大金に大量のカードが入った財布を拾ってまして、これはカタギの財布じゃない!などと失礼な妄想を膨らませ、最後には
こんなもんパクったらドラム缶にコンクリ詰めにされて東京湾に捨てられる
というアホな結論にたどり着き、毎回微塵も迷わず交番直行してました。小悪党すら僕には無理そうな残念っぷりです。届けること自体は残念じゃないんですけど、理由づけが・・・見た目はヤ○ザなのにね。
「 謝礼1割」の真実
残念ながらいずれの財布もすぐに持ち主が見つかり、僕の物になることはありませんでした。気になる「謝礼1割」の話にいきます。10万拾ってるんで1万でもでかいです。大根いっぱい買えますよ!
昔の話なので今は違ったらすいません。実は届けた時に書類を書くのですが、謝礼を希望するかしないかの選択がありまして、希望した場合は実質的に請求権が保証されるようです。更に上限2割で請求可能です。拾った代わりに2割払えとか・・・有る意味こっちのほうがヤ○ザです。
ドラム缶とコンクリが頭から離れなかった僕は、1度も請求権を行使しませんでした。勿体無い話です。
請求権行使を勧めてきたお巡りさん
2回目だったかに拾った時、お巡りさんが「請求権を行使したほうがいい」と勧めてきました。理由は、
拾った場所がビルの中の公衆電話だったから
なんです。
だから何だといいますと、ビルという所有権のある建物の中での拾得物に関しては、拾い主が誰であれ建物の所有者にも請求権が発生するそうです。坊主丸儲けです。通常は拾い主と所有者で1割折半だそうですが、僕が放棄した場合、建物所有者が2割請求する権利を持つことになるとか。・・・坊主超丸儲け。
バカバカしいから1割請求しとけ、というのがお巡りさんのお勧めでした。が、やっぱりドラム缶とコンクリの法則により放棄してしまう残念生物でありました。
正直者は報われた
実は、4回とも請求権放棄したにも関わらず、4回とも落とし主が菓子折りと謝礼2割を持って家までお礼に来てくれました。
今なら個人情報のアレで自宅の住所教えないと思いますが、当時はまだゆるかったので。3回は普通のサラリーマンぽい方で、1回は若いお姉さんでした。エヘヘ・・・
権利行使して強引に請求してたら後味悪かったと思うと、結果的に行使しなくてくつみや丸儲けウマー人として当然のことをしただけだと思います!
男物と女物の財布の区別すらつかずにヤ○ザ妄想してた残念生物ですけどね。
今や公衆電話使う人も少ない以上、迷子の財布もきっと少ないことでしょう。カード専用公衆電話が昔あったみたいに、おサイフケータイ専用公衆電話とか作れば万事解決な気がします!俺天才!!
ありがとうございました。