軽い持病で時々通院してまして。アタマの病気と言えば当たらずとも遠からずですが、重くないので病院からしたら僕はきっと上客です。診察時間短くて点数ガッポリ的な。そんな病院のロビーで、ひとりの患者さんが声をあげます。
「5千円札落としてる人いませんか~?」
椅子の上に5千円札が落ちているのを発見したようです。剥き身のお札な上、誰も気付いてないので、正直ガメても証拠が残らないと思われます。
ですがこの患者さんは、ガメるどころか持ち主を探そうと声をあげています。正直者がバカを見るなどと言われる世の中ですが、こういう光景を見るととても心が和みます。
ここでもし僕が
「あ、それぼくのお金だ!」
などと大嘘ぶっこいたら、その方はきっと僕にお金を渡してくれたでしょう。つまり、残念ながら誰かが嘘をつくことが可能な状況であります。
しかしながら、周囲の人は皆、
「私じゃありません」
「そこ俺座ってないっすよ」
と、老いも若きも誰も嘘をつきません。これはこれでとても素敵なことなのですが、持ち主を探している方がちょっと困り気味な様子です。すると、出口付近にいたご老人が、ロビーまで戻ってきて一言。
「私の次に呼ばれて会計してるそこの人。あの人じゃないかな?」
とアドバイス。すると、それを聞いてた別の患者さんが、
「あの人さっき、その椅子座ってるの見ました」
と目撃情報の提供。
かくして5千円札は持ち主の元に返っていき、捜査協力してくれた周囲の人皆にお礼を言って、持ち主は去っていきました。
まだまだ日本人、捨てたもんじゃないですね!
僕のブログ見て「こいつすげー右なんじゃないのか?」と思った方いるかもしれません。どちらかと言えば右なのは否定しませんが・・・ただ国粋主義者じゃないので、あくまで人や風土が好きなだけです。
日本人として改めて日本が好きになった一幕でした。
ありがとうございました。