ヲタクのおっさんとして長年気になってたんですが・・・マンガやアニメは勿論、ラノベの挿絵や和ゲーに至るまで、
シャツとスカートのデザインが大抵おかしい!
という現実。
デザインの良し悪し以前の話で、服としての基本構造が根本的に変なんです。現実通りのシャツとスカートは、かなりのマイナー勢力。具体的には下の絵にて。
面白いことに、一様にこの変なデザインが採用されており、デファクトスタンダードと化してます。なんででしょうね?何か理由がある筈です。
個人の主観基準ですけど、現実のアイテムとこのアニメ服、双方を描きつつ理由を探ります。
iPad Pro2+Apple Pencilのテストがてら、色々なタッチで遊びつつ描き貯めてました。ちゃんとペンツールで清書した絵を載せるのって初めてかも?タイトル画像ですらPhotoshopの鉛筆ツールでドット描きしてたので(汗)
アニメシャツ(ブラウス)の襟元
襟はコートのように大きく、襟元は布地もろとも第一ボタンが無いデザイン。さながら詰襟。
実際のシャツの襟。さして大きくなく、第一ボタンは襟元についています。 開襟シャツでも、襟元が浮いた詰襟状態にはなりません。
まず襟を大きくする理由ですが、襟を大きく作ることでシャツ(ブラウス等含む)の着装を印象づける狙いがありそうです。襟の形は特徴的なので、こんなふざけた落書きでも、襟の有無だけでシャツ着てるような気が・・・しません?
反面、襟を大きくして問題になるのが、第一ボタン。
左のように大きな襟で第一ボタンまで付けると、軍服のような堅苦しい印象に。一方アニメシャツを着た右のキム系男子は、大きな襟の割にはゆとりがあります。
これが変な襟元の理由じゃないですかね?襟を大きくしつつも、ゆったりしたシャツ感を出したい的な。
・・・本当は胸チラしやすいことだったりして!
アニメシャツ(ブラウス)の裾
比較的少ないかもですが、シャツの裾がスーツの下のベストのごとく、大きく広がったデザイン。
実際は、体勢や着方次第では末広がりに見えますが、裾まで揃ってます。末広がりだと、前結びし易いかもですが!
スーツやジャケットはボタンの留め方次第で裾が広がりますし、アマチュアならそれをシンボリックに暗記してる人も居るかも。しかしプロがあえて末広がりに描く理由としては・・・
パンチラさせやすいからじゃ?
大真面目にそうじゃないかと思ってますが・・・どうでしょう。
アニメシャツ(ブラウス)の袖
実際のシャツだと、広く空いた脇に対して袖はだんだん狭まります。一方アニメシャツは、腕が2本入りそうな巨大アームホールに加え、袖が広がるベルスリーブも珍しくないです。
多分、実際のベルスリーブで肘上までの半袖は少ない気が(七分袖くらい? そんなことなかったらすいません)。メンズには無いし、ウィメンズでもカジュアルシャツのみで、ベルスリーブのフォーマルシャツは無いでしょう。マンガやアニメだと、制服として男女問わずベルスリーブの半袖着てることもありますけど。
半袖ベルスリーブ、アームホール大きめにする理由は・・・
脇チラさせやすいからじゃ?
いや、ほんとそうじゃないかと(汗)
右巻きプリーツスカート
マンガやアニメの定番、スカートといえば右巻きワンウェイプリーツ。
これは相当の鉄板で、著名なアニメーターやイラストレーターでさえ、右巻きスカートを量産する人が結構います。設定やゲームのモデリングで右巻きスカートを明示してるタイトルもあるので、何らかの理由がありそうです。
実際のプリーツスカートは、一方向にプリーツが折りたたまれた、学生服でよく見るやつですね。私服だと着こなしが難しそう。構造故に、ポケットは左しか無いとか。生憎と僕のクローゼットには一着も無いので、確認できません。
プリーツの方向は、着装者から見て左巻き。和装の右前的な忌諱とは違いそうですが、既製服で右巻きは無いと思います。生地によっては右巻きっぽく一部が変形しても、折りたたみ方向は左巻き。
※右前の「前」とは、身頃に近い方という意味。つまり体に接する方が右側で、上に重なるのが左側ということ。
「女性物は右前」とドヤ顔してた知人を思い出したので、一応注釈。つまりウィメンズ(レディース)は左前で、右は「前」じゃなくて「上」になってるだけ。
ウエストラインで着るのが一般的で、ローライズなのはチアかコスプレ位かも。マンガやアニメは「へそ出し」の為か、ローライズ多めかも。
真正面から見た場合、向かって左側は手前に向かってくるプリーツが見える筈。これは縫製の都合ですかね、変な位置にシームがあると着にくそう。男には感覚的に解らない領域なので、推測ですけど。
大抵は正中線にプリーツが来るみたいですが、フンドシみたいに短冊が真ん中に位置するのも稀にあるようです。
どこかの通販サイトで、着装&製品写真どちらも短冊が中央のやつを見ましたが、他には見たことないかも。
マンガやアニメで見る、視点に近い所を基点にして左右が後退していく見え方は、構造上有り得ない筈。動きがある場合、偶然そういう変形をする可能性はあるかも?
フレアスカートであれば、そういう見え方すると思います。でもマンガやアニメって大抵はフレアスカートでなくプリーツスカートが大好きですよね?僕はタイトスカートの女性が好きです。
いずれにしてもフィクションなので、結局はどう描こうと自由です。謝罪や賠償を求められることは、普通無いでしょう。
これを踏まえて、何故プロでも右巻きスカートを描くのか?
理由の推測ですが・・・描きやすいからじゃないですかね。生産性の問題。
よくありそうな、ポーズを決めただけのつまらない立ち絵を描きました。右手を強調しつつも体が右手で隠れない絵にする為に、こういった左向きの構図を取ることは多いかと。
この状態でスカートを手前に流したい場合(理由はお察し)、右巻きプリーツであればプリーツとスカートの動く方向が一致してる為、楽できます。
律儀に左巻きで描くと、動きに対してプリーツが逆方向な為、結構手間が掛かりました。
僕の技量的な問題も多分にあるとは思いますが・・・右巻きにした方が動きが付け易いのは確実かと。
逆に流したい時は左巻きに変更する等、描き手の都合次第で使い分けるのも多いと思います。基本を右巻きに設定しておいた方が、構図の頻度的に楽なのかも。先に出てきた「ご都合プリーツ」も同様で、生産性向上の手段でしょう。
個人的推測にすぎないですが、こんな感じで独特のアニメ服が標準化したんじゃ、と思った次第。
以上、おしまいです。
似顔絵って難しいですぬ、辣椒さん尊敬します。