ニワトリとタマゴ 重箱の隅の戦い

重箱の隅をつつくような、どうでもよさそうな細かい話やネタ話。おもいついたら即暴走。

シミュレーションゲームのノリで、中国の海洋進出を中国視点で考える

覇権主義の中国共産党さん、今日も海洋進出に一生懸命です。そこで中国目線で、

 

安全が保障された航路の確保

 

を考えてみます。領海や定期航路のような「お約束事」ではなく、地理や軍事的な事情がメインです。

タイトル通り、シミュレーションゲームのノリです。プレイヤー国家「中国」を選び、どう大洋に進出するか?が課題です。

勿論、僕の個人的見解にすぎないですけど。

おっさんボートでへいこらほー

目指すのはモスクワでなく、主に太平洋!

日本の周辺海域

その前に日本の目線で、日本を取り巻く海を見てみます。まさに海洋国家、海の出入りは比較的自由です。赤線は警戒ポイント。

日本の周辺海域

北方領土がロシアに不法占拠されている為、オホーツク海がサハリンと挟まれています。軍事施設も建設してる為、安全度低め。

日本海から東シナ海への航路は、朝鮮半島と済州島が近いです。韓国に不法占拠されている竹島周辺も要注意。

 

 

中国の周辺海域

ここから先は、プレイヤー操作国は「中国」です。

青が中国の海岸線。日本と違い、海に出るには制約が多いです。ぶっちゃけ、大小様々の島に阻まれて外洋に出られません

中国の周辺海域

東シナ海と南シナ海は直接出られますが、他はどこかしら海峡や諸島の隙間を通るハメになります。他国に封鎖された場合は航行の自由が無くなります。本来南シナ海も周辺国に囲まれて自由度低いですが、例の人工島で絶賛実効支配中。

資源保護の概念が無い上に14億近い人民を養う中国とって、東シナ海と南シナ海だけでは狭すぎます。更なる資源を求めた外洋進出は、国家存亡に関わる一大事です。あらゆる手段で達成せねばなりません。

 

 

日本海侵略作戦

北朝鮮が挟まっている為、中国は日本海に接していません

中国の日本海侵入航路

対馬海峡を通過するしか無く、封鎖されれば自由な航行は無理です。

済州島(韓国領)か対馬を制圧、軍事拠点化すれば暫定航路が確保できそうですが、拠点化する前に奪還される可能性が高いこと、何より日本海にそこまでの旨みが無い為、現状保留。

日本海にはメタンハイドレートがあり、無尽蔵の埋蔵量も指摘されています。状況次第で対馬の領有権主張(韓国みたいに)、もしくは軍事行動がいつかあるかも?

 

 

太平洋侵略作戦

絶対進出したい太平洋。しかしこれまた綺麗に封鎖されています。赤線の内側に台湾を含めると、中国が主張する「第一列島線」に。

中国の太平事情

 

東シナ海から宮古海峡(沖縄と宮古島の間)を抜けるか、台湾とフィリピンの間(バブヤン諸島の北)を抜ける二通りの航路が考えられます。

中国の太平洋侵入航路

宮古島周辺は航空隊が常駐してない為、宮古海峡は比較的手薄です。

時々ニュースで目にする、「中国海軍が沖縄~宮古島間を通過」ってやつです。那覇基地からのスクランブルでは時間がかかる為、よく挑発してきます。

そして石垣島を越えると、航空自衛隊那覇基地よりも福州空軍基地(人民解放軍東部戦区)の方が近くなってきます

 

作戦1.台湾の武力制圧

「ひとつの中国」を唱えている手前、武力制圧は人民の大反発必至です。統制に常に怯える共産党としては、体制の危機になりかねないので却下。

 

作戦2.フィリピンの武力制圧

フィリピンの全土制圧は時間的に他国の介入が必至、一部制圧では新たな国境警備の面倒が増えるだけなので却下。

 

作戦3.沖縄の武力制圧

世界と戦争しても勝利しかねない軍事大国が駐屯している為、正攻法では勝ち目が無いので却下。

 

作戦4.情報戦での影響力増大

何も全面衝突だけが手段にあらず。

  • 台湾で共産党支配を強める
  • フィリピンで反米を扇動
  • 沖縄で米軍基地反対、本土からの独立を扇動
  • 各地の有力者を接待

いずれも人民解放軍の駐屯ができれば目標達成です。沖縄で言えば、人民解放軍が米軍に取って代わります。

まあ、どれもやってますね。ただし現実的には達成見込みが低く、とりあえず複数にツバつけてる感じでしょう。

 

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作戦5.尖閣諸島の武力制圧

石垣島周辺が手薄な為、絶好のロケーションがあります。そう、

 

尖閣諸島!

 

尖閣諸島

尖閣諸島は石垣島の北、最大の魚釣島は福州基地(人民解放軍)から400Km弱と、航空自衛隊那覇基地より近いです

地図が見切れてますが、こんな位置関係。

尖閣諸島と周辺基地

尖閣諸島は無人島です。漁師に偽装した人民解放軍を漁船で送り込む、事故の救難を装って上陸する、福州基地から出撃して短時間で制圧等、方法は様々。

 

制圧後、最大の島である「魚釣島」を軍事施設化(可能ならば得意の埋め立てとか)。ここを拠点に石垣島周辺も制圧できれば、防衛線に穴が開きます。

石垣島を制圧

このやり方にはデメリット(あくまで中国視点での話ですよ?)も多く、

  • 日米が離島奪還作戦を速やかに実施した場合、尖閣諸島に自衛隊が常駐するヤブヘビに。
  • 石垣島周辺まで制圧しても、太平洋進出の拠点にはできない(狭い)。本土からの暫定航路は取れるが、沖縄支配が遠のく(反米扇動が困難に)。

等が考えられます。微妙です。

ただし、台湾やフィリピンを支配下に置く(沖縄の拠点化が不要)、または尖閣諸島に太平洋以上の利益を見出した場合は、尖閣諸島のみの制圧を画策するかもしれません。

 

 

作戦5.1.V22オスプレイの反対扇動

中国視点だと、沖縄のオスプレイ配備は極めて問題です。下の図は、普天間基地からの往復可能な距離の比較。

 

オスプレイの航続距離

積載無しでオスプレイが往復できるカタログ限界(実際はまず無理)

積載無しでUH1ヘリコプターが往復できるカタログ限界(機種で多少の差有り)

米軍が設定したオスプレイの作戦行動半径(実戦的な行動が十分可能な距離)

 

オスプレイは物資や人員を積載した作戦行動でも、尖閣諸島が十分な行動範囲に入っています。普天間や嘉手納基地から1時間以内で到着できるんじゃないですかね?

オスプレイの反対運動には色々根っこがあるとは思いますが。

オスプレイは台湾や中国本土すらも微妙にかすめる広い作戦行動半径(長い航続距離)と、従来のヘリコプターとは比較にならない速力(迅速な展開能力)を持っています。これは中国には大きな脅威で、オスプレイ配備を撤回させたい訳です。自衛隊のヘリコプター搭載能力を持つ護衛艦も同様ですね。

海上自衛隊の「いずも型護衛艦」。

護衛艦いずも

出典:海上自衛隊ホームページ(http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/izumo/183.html)

 

 

インド洋侵略作戦

最後にインド洋ですが・・・絶望的です。分厚い壁にはばまれてます。

中国のインド洋侵攻作戦

シンガポールやインドネシアをはじめ、地理的にインド洋への自由な航行は望めません。周辺国が敵対した場合、海峡を封鎖されて終了です。南シナ海の人工島で大暴れして、影響力を高めてます(資源も目的)。

 

作戦1.障害となる国を全て武力制圧

数が多くて大変な上、疲弊してスキを見せればインドやロシアが国境線を広げるべく攻めてきます。このプランは却下。

 

作戦2.スリランカ、モルディブを武力制圧

軍事力は低めですが、二国とも戦争慣れしてる為、相応の損害が出ます。世界第4位の軍事大国インドが隣接してるのも問題で、実行すれば安全保障上の脅威として即座に応戦されること確実です。遺憾の意だけで済ませてくれません

インド海軍は空母を保有する為、本土からスリランカ、モルディブへの兵站(補給路)確保はキツそうです。ミャンマーが人民解放軍を通してくれれば繋がるかも?

 

作戦3.スリランカ、モルディブに合法的に拠点化

経済的支援等で合法的に拠点化。港を整備してインド洋進出の拠点にします。これだとインドも軍事力で対抗できません。ミャンマーと仲良くしておけば、陸路(空路)でショートカットできそうです。

実際、この方法でスリランカとモルディブは中国が拠点化を進めており、インドとモメてます。

 

 

おわりに

中国的には米軍をグァムまで後退させ、沖縄を制圧、拠点化することで初めて太平洋への大規模進出の夢叶う、といった所ですね。沖縄での反米扇動にも熱が入る訳です。

更に空母があれば小笠原諸島の制圧も視野に入り、拠点化すればグァムに対する牽制にも。最終的には米軍がハワイまで後退し、太平洋をアメリカと折半するまでは譲らないでしょう。ロシアは北極海の方が忙しそうですね。

自衛隊や海保の方々には、日々頭の下がる思いで一杯です!

以上、長い所ありがとうございました。

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